第2幕 ハウとカイの世界巡り

キタカミの里でピクニック


ペパー's クッキング in キタカミの里
「キタカミのリンゴを使ってアップルサンドを作ったぜ!召し上がれー!」
「ってペパーが呼んでるのに、スグリどこ行ったんだろー。」「土地勘はあるし、ポケモンも一緒だし、大丈夫だとは思うけど……。」
「私、めのうちゃんとこっちを探してみるから、ハウさんたちはそっちを!」「わう!」「わかったー!」
「スグリ~」「ぽににー」「あ、いた!スグリー!」「!」 
「ハウ!鬼さまも……。わやじゃ……見られちまったべ。」ぎょっ(泣…!?)
「スグリ大丈夫!?どこか痛いー!?」「いや、そういうのじゃねんだ、大丈夫……。」
「ちょっと、考え事したら、急に涙さ出てきちまって。その……ごめん。」「……」
「どんなこと考えてたのか、聞いてもいいー?」「うん……。」 
「俺、リーグ部のみんなをたくさん傷つけちまった。許してもらえないとしても、ちゃんと謝りたい。……でも、上手く言えるかなとか、どんな顔すればいいとか考えてたら怖くなってきて……。ネモさん、ペパーくん、ボタンさん、それにハウやカイたちとこれからも友達でいるためにはどうしたらいいのかまで、だんだん分かんなくなってきて……。」
「俺ずっと、独りで戦えることが偉いって思ってた。なんも持ってなくても独りで戦えさえすればって。だから鬼さまにも憧れたし。」
「けんど、俺には無理だ。独りはさみしい……。」
「アローラにグラジオって友達がいるんだけどー」 
「グラジオも独りで戦うことにこだわってたタイプでさー。」「そうなんだ……俺と同じだべ。」
「いやいやー、グラジオはスグリの百倍くらいカッコつけだよ。こんな感じで」(わやカッコいい…。)
「けどー、大ピンチをおれとカイとグラジオで乗り越えてー、誰かと一緒ならすごい力が出るって、きっとグラジオも感じてくれたと思う。そんで今はいい感じーなんだ!たまに手紙とか送る。グラジオはカッコつけだから『悪くない関係だ。フッ』とか言って、素直じゃないけどー。」
「だからスグリも大丈夫だよー。だっておれたちもう一緒に大冒険したでしょー。それになにより、おれたちにはいつもポケモンがついてる!」
「きゅ!」「んだな…!」 
「これから先、どんな関係でいられるかなんて誰にも分らないよ。でも、一緒に冒険したことは絶対になくならない真実だから。」
「カイはよくそれを『物語を紡いだ』って表現するんだけど、その物語があるかぎり、おれたちは少なくとも『悪くない関係』ではいられるんじゃないかなー。」
「物語……か。そうだな。ありがとう、ハウ。」
「どういたしましてー。でも今のはカイの受け売りだからー、お礼はカイに行ったほうが良いかもー?」
「あはは…!んだば、早くカイやみんなのとこさ戻らねえと。心配かけちまったべ。」「そうだね!」
「ハウさん!スグリくーん!」「あ」 
「おーい!」「一緒にサンドウィッチ食べよーぜ!」「こんな所で何やってるんー?」「案内ありがとね」
「あのねースグリねー、景色のいい場所を探してたんだってー!」「わや、ハウ……!?」
「そうだったんだ!」「おー確かにこりゃいい眺めだな!よし、じゃあここでピクニックしよう!」
「行こー、スグリ。みんなでサンドウィッチ食べるって物語を、紡ぎにさー。」「……うん!」
Happy Time!